本棚の整理をしていたら、お寺の音楽会「誰そ彼」で発行していたジンが目に止まりました。
「nam」という名のこのジンは、誰そ彼スタッフが思い思いのテーマで原稿を寄せたもの。

img_2765
私も記事をあげていて、どんな事書いてたっけ?とページをめくってみました。

よるの脳内遊泳

新宿にゴールデン街という街がある
駅前にあった闇市が強制撤去となり、現在の場所に移転してきた
昔、もぐりの売春街だったこの街は青線と呼ばれていたらしい

このゴールデン街には200軒以上の木造酒場がひしめいている
その中の花園五番街という通りにある「奥亭」
私はご縁があって日替わり店主として水曜日のカウンターに入っている


‥書き出しはこんな感じでいいかなぁ?
「nam」の発行にあたって記事をどうするか考える日々
奥亭のカウンターからの風景について書こうと決めたまではよかったけれど、
毎週色々な事があるけれど、書く決め手となるものが思い浮かびません
あってもとても書けるような内容ではなかったりして‥

そういえばある日の奥亭で
「残しておきたい風景がある」というニュアンスの事を呟いた方がいました
印象深い言葉だったので、これについて書こうと思いました
でも私、文章を書こうと思っても書けないのです
言葉がおりてこなくて足踏み状態‥まとまらない‥困った

ベッドに横になりながら、何か思い浮かばないかなぁと考えていたら‥
最近あったベッド上でのある出来事が頭をよぎりました

それは久しぶりにヒヤッとして凍りついた出来事でした

ある朝起きたらベッドに干からびた魚が転がっていました
ビックリして心臓がキュッとなりました
あの姿が忘れられません

‥それはにぼしでした
にぼしを一時期よく食べていたのですが
どうしてなのか、にぼしがベッドに上がりこんでいたのでした

これは「残しておきたくない風景だな」と思いました

「残しておきたい風景」なんだろう?

今までに見た素晴らしい景色が色々浮かんできます
頭の中にイメージとして残っているもの
夢の中で見たありえない風景など‥

最近よく浮かぶのは被災した福島にある祖母の住む町の事です
夏休み冬休みになると遊びに行っていたあの町の風景を思い出します
避難区域のため、現状どうなっているのかわかりません

当たり前のように見ている風景が変わってしまう事
日々変わっていく事
命と一緒でいつまでもあるものではないんだなと改めて感じて
心臓がキュッとなりました
あの景色を忘れたくありません

「残しておきたい風景」なんだろう?

ゴールデン街という半世紀以上もの歴史のある個性的な街

様々な職業、年齢層の人が出会って、
マジメな話や他愛のない話をしながら飲むのが醍醐味

カウンターからそれに参加したり、眺めたりしながら、
たまに一緒に飲みながら濃ゆい時間を過ごします

独特なこの街について言葉にするのは難しくて
体験してみないとわからない事です

これを書くにあたって奥亭のオーナーにゴールデン街の歴史について
話を聞きました
(それを簡単にまとめたのが冒頭の文章です)
その中でオーナーは「宝探し」と言っていたけれど‥

昭和な街の佇まいと人間味あふれる人たちとの時間
出会いや再会の場面
いつも貴重な体験をさせていただいてます

宝がいっぱいつまっているこの街は
残しておきたい風景です

最後にオーナーより一言:
宝探しにきてみませんか?

 

2011年に発行した「nam」にこんな事書いてたんだ(笑)
まとまりのない文がまさに脳内遊泳だな!と懐かしく感じた2016年11月最後の日。